イラン紛争特集

イラン紛争の概要

2026年10月10日現在。年表の日付は、特記した場合を除き現地日付による。

2026年10月10日現在、2月28日に始まった米国・イスラエルとイランの戦争は7カ月目に入り、停戦には至っていない。米国のトランプ大統領は11月3日の中間選挙前にイランへの攻撃を再開しないと表明する一方、協議が進展しなければ作戦を再開する可能性を示している。イラン側は、米国が海上封鎖を解除し、制裁を緩和することが合意の前提だとしている。10月9日、イランのアラグチ外相は米国の対案に数日以内に正式回答する見通しを示した。今回確認した最新72時間の情報では、イスラエルによる新たな対イラン大規模攻撃の発表は確認できない。 (AP通信) (ホワイトハウス)

戦闘の主戦場はイラン本土だけでなく、イランと関係の深い武装勢力が活動する周辺地域へ広がっている。イエメンでは、フーシ派とサウジアラビアが支援する政府側の戦闘が紅海沿岸とバブ・エル・マンデブ海峡周辺で激化し、フーシ派は10月8~9日にリヤドのキング・ハーリド国際空港などへの攻撃を主張した。サウジ当局は空港とサウディア機を狙った攻撃で3人が死亡し、複数人が負傷したと発表している。国連のイエメン担当特使は10月9日、同国が全面戦争に戻り、複数前線で戦闘が拡大していると報告した。 (AP通信) (欧州航空安全機関(EASA)) (国連政治・平和構築局(DPPA))

航空面では、リヤド空港への攻撃を受け、10月9日までにリヤド発着便を含む少なくとも124便が欠航し、複数の国際航空会社がサウジアラビア路線を一時停止した。EASAは10月9日の改訂で、サウジ領空ではミサイル・無人機攻撃、防空活動、落下物、民間機の誤認の危険が高まっていると指摘し、リヤドを含む中部・北部への攻撃能力が示されたとして警戒区域を更新した。サウジ側は空港運用が再開したと説明しているが、航空便は地域情勢に応じて変動している。 (AP通信) (欧州航空安全機関(EASA))

経済・海運では、米国の封鎖とイランによるホルムズ海峡周辺の攻撃・妨害が続き、原油価格と金融市場の変動が拡大している。APによると、米中央軍は夜間に船舶の位置情報を切った状態でタンカーを海峡通過させ、湾岸諸国の輸出は大部分が回復したが、ブレント原油は10月上旬に1バレル約100ドルと、開戦前の約70ドルを上回った。さらにイエメン情勢の悪化は、紅海とバブ・エル・マンデブ海峡の航行にも波及している。国連は同海域の不安定化が国際貿易、エネルギー市場、供給網に影響し得ると警告している。 (AP通信) (国連政治・平和構築局(DPPA)) (国連安全保障理事会)

主要な出来事の年表

発生日時場所事態・影響
2026年2月28日イラン・テヘランなど米国とイスラエルが大規模攻撃を開始。最高指導者ハメネイ師が死亡し、イランが報復攻撃に踏み切った。 (ロイター) (ロイター)
3月2日以降レバノン、イスラエルヒズボラの対イスラエル攻撃を受け、イスラエル軍がレバノンへの作戦を拡大。戦闘が周辺国に広がった。 (AP) (ロイター)
3月9日(イラン時間)イラン専門家会議がモジタバ・ハメネイ師を新たな最高指導者に選出した。 (ロイター) (AP)
3月11日IEA加盟国加盟国が4億バレルの石油備蓄放出を決定。中東の供給障害に対応した。 (IEA)
4月7日(米国)~8日(イラン)米国、イランパキスタンの仲介で2週間の一時停戦に合意。戦争終結に向けた協議へ移った。 (EASA)
4月11~12日パキスタン・イスラマバード米国とイランが直接協議したが、約21時間の交渉で合意には至らなかった。 (ロイター) (AP)
6月17日米国、イラン停戦を60日間延長する覚書に署名。恒久的な合意に向けた交渉期間を設けた。 (ロイター) (EASA)
7月7~8日イラン、ホルムズ海峡周辺海峡周辺の商船への攻撃を受け、米軍がイランの軍事施設などを再び攻撃した。 (ロイター)
10月8日米国トランプ大統領が、11月3日の米中間選挙前にはイランへの攻撃を再開しない方針を表明。協議の継続に言及した。 (AP)

地図

イラン紛争の主要地点を示す中東地域の地図イラスト

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