スペインの最大野党、国民党(PP)が人工知能(AI)を利用してサンチェス首相の妻らの架空映像を制作・公開した問題で、政府と野党の対立が激化している。スペイン公共放送RTVEが10月23日、双方の主張を報じた。
首相夫人の架空映像を野党が公開
国民党は、サンチェス首相の妻ベゴーニャ・ゴメス氏らを登場させたAI生成動画を交流サイト(SNS)で公開した。
動画には、実在する人物が実際には発言していない内容を語るように見える場面が含まれている。
RTVEによると、問題となった動画の一つは10月21日に公開された。
これらの映像はAIによって生成されたものであり、登場人物の実際の発言を記録したものではない。
政府が批判、国民党は擁護
政府は人物のなりすましを問題視
スペイン政府は、AIによって実在人物の映像や発言を作り出す手法を批判した。
政府側は、架空の映像が政治的な主張の根拠として受け取られることに懸念を示している。
フェイホー党首は動画を擁護
一方、国民党のアルベルト・ヌニェス・フェイホー党首は、党の公式アカウントで公開された動画を擁護した。
フェイホー氏は、社会労働党を巡る疑惑を引き合いに、政府が動画の公開を問題視する姿勢を批判した。
政府と野党は、動画の政治的意図と表現方法について異なる見解を示している。
AI生成映像と政治情報の信頼性
実際の発言と架空の映像を区別
生成AIを利用すると、実在する人物の容姿や声を再現した映像を制作できる。
今回の動画について重要なのは、登場人物が実際にその内容を発言したわけではないという点だ。
政治的な主張の内容とは別に、映像が事実を記録したものか、AIによる創作物かを区別する必要がある。
選挙や政治的議論への影響
政治家やその家族を扱うAI生成映像は、政治的な議論の中で拡散される場合がある。
今回の事案では、政府と野党の双方が公に見解を表明しており、AIを使った政治広報のあり方が争点となっている。
動画の表示方法、制作主体の明示、法的な扱いについては、今後の関係当局や司法の対応を確認する必要がある。
